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ひとりじゃ生きていけないから。
#あえて弱みを握られてみよう


こんばんは。
「NPO法人ぱぱとままになるまえに」代表の西出博美です。


ぱぱとままになるまえに
考えよう、
ぱぱとままになる ということ。


を、理念に活動する「NPO法人ぱぱとままになるまえに」には、3つの使命があります。


パパやママに接することで、
将来のことを考えるきっかけを生み出す


先輩パパママに、
気軽に聞ける環境をつくる


パパママ像の固定概念を越えて、
多様な生き方を認められる社会をつくる



この「理念」と「使命」は、体現していくことで、より理解されていくと思うのですが、
今は直接会ったり、リアルな場をなかなかひらけない時期。


「ぱぱまま」の活動や、大切にしていること、「ぱぱまま」としてのスタンス…。

今まで、なんとなく
会ったら、
「ぱぱまま」のひらく場に来てもらったら、
わかってもらえる・感じてもらえる、と思っていたことを、
ことばにして伝えていくためにコラムを書いています。

▼以前、こんなものを作っていた時期がありました。(なつかし〜)



「ぱぱまま」をはじめたときから、無意識にやっていたんだな…と、
気がついたことを、今月のテーマにしました。



7月のテーマは、

ひとりじゃ生きていけないから。
#あえて弱みを握られてみよう


です。



…というのも、今、わたしは弱っていて。


つい先日、大切な友人が亡くなった、という報せを受けました。
悲しみの中から抜け出せず、今月のコラムをお休みしようかな、と思いました。

けれど、いいときばかり、何かを伝えたいんだっけ?と問いました。
そして、そうではないかもしれない、と感じたので、心と頭とやりとりしながら、文章を書いています。


以前、東京都港区にある「芝の家」をつくった坂倉杏介さんのお話を聴きに行って、印象に残っていることがあります。

それは、芝の家では、当番として、その日・その場に居るメンバーで朝会をする際、
“弱みの共有”をしているんだそうです。
(今はどうなのでしょう。けっこう前のお話なのですが、当時、そうお話されていました。)

小学校の朝の会のように、
「はい、元気です!」とか、「はい、お腹が痛いです!」とか言ってた、あの感じ。

例えば、ぼーっとしている人がいたとき、
何にも知らないと、「あの人、当番なのに何でぼーっとしてるんだろう…」と思ってしまうことがあるけれど、
朝会のときに弱みの共有をしていれば、「昨日、恋人と別れたんじゃしょうがないよね…」となる、とのこと。


ついつい、私たち大人は“何でもないふり”をしてしまいます。

そのように振る舞うことが、社会で生きる上でのお作法のように思ってしまいがちですが、
ホントのところ、どうなのかはわかりません。



「弱みを握られる」って、悪いことのように言われますが、
悲しい思いをしたり、傷ついたり、困ったり、悩んだり。
自分には足りないと思うところ、不得意なことなど…。

そのことを“あえて”まわりの人に伝えてみませんか。

…ということを、今月のテーマとしました。



「ぱぱまま」をはじめたときから、そういえばわたしは“弱みの共有”をしていたんだな、と気がついたんです。

まわりの友人が積極的に結婚に向かっていく中で、
何でそんな簡単に決断できるの…?とずっと疑問に感じていました。(簡単じゃなかったのかもしれないのにね。)

いつかは結婚したい、子どもが欲しい!…と思いつつも、
両親が幼いころからケンカばかりしていて、のちにやっぱり離婚したので、
「結婚することや、家族をつくることに、いいイメージが持てないでいる」と、ことばになったとき、
「ぱぱまま」はうまれました。

“やっと言語化できた自分の中の違和感”だったので、活動の芽として、いろんな人に伝えていました。

すると、
「結婚して、子どもを産んだけれど、わたしにもこんなことがあったよ」と伝えてくれる人があらわれて、
“結婚や妊娠までに困難を感じているのは自分だけじゃない”と、希望を感じられました。

「こんな情報があるよ」「こんな人もいるよ」と教えてくれる人もいて、価値観も広がっていきました。


「結婚することや、家族をつくることに対していいイメージが持てないでいる」という弱みは、
いつの間にか、“わたしと、誰かや何かをくっつけてくれる、ひとつのルーツ”となりました。


人はひとりじゃ、生きていけないから。
“あえて”弱みを握られてみませんか。



わたしの大切な友人も、
「がんになったからこそ、伝えられることがある」と、
がんの経験者として、がん患者さんのためのNPO法人の活動に参加をしたり、
個人で闘病記を綴っていました。

彼女は、きっと、“弱み”だなんて思ってなかっただろうな、と思います。

いろんなことがしたくて、いろんな人と出会いたかった彼女は、
がんになったことを通じて、また、世界を広げていたのだな、と感じます。


いつだって、明るく前向きだった彼女のことを書きながら、
弱みの話をするのはおかしいかな?と思いつつ、あえて…。


悲しい思いや、傷ついたこと、困ったこと、悩んでいること…。
多数の人でなくてもいいと思うのです。“誰か”に弱みを握られてみませんか。

きっと、“握った”側は、あなたのことを気にかけ、共に生きてくれるはずです。


それでは今月はこのへんで。

ひろみ