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助産院ツアー第4弾。マザリーズ助産院への訪問と、調布のまちを歩いて。

 
今回のツアーでのできごとを思い返して、

「“ほんとのやさしさ”って、どんな状態のことを指しているのだろう?」

と、ふと思った。
 
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ツアー終了後、マザリーズ助産院前で、集合写真。
 
今回、ツアーで訪問させていただいたのは主に2つの場所。
 
1つは子育てカフェaona
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2つ目は、マザリーズ助産院
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aonaでは、カフェを運営するNPO法人ちょこねっと代表の竹中さんからお話を聞き、
マザリーズ助産院では、院長の棚木さんからお話を聞きました。
 
 
2人には共通する「何か」があったように思う。
 
そして、2人が話の中で、「厳しく」というキーワードを口にしたとき、
その「何か」の深部に触れたような気がしたのでした。
 
 
 
*****
 
 
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助産院の玄関には、コウノトリがいた。(ちゃんと、赤ちゃんも運んでる。笑)
 
 
『子育ては大変だから…。』『お母さんはがんばってるから…。』
それを否定するつもりは毛頭ない。その通りだと思う。
 
だけれど、日々いろんなお母さんや妊婦さんと関わっている竹中さんと棚木さんの口からは
「厳しく」ということばが出てきた。
 
それにも、(そうそう。)と深く共感した。
 
『大変な人に何を厳しくするの?』『がんばっている人たちにまだがんばれというのか?』
という声が聞こえてきそうだけれど、決してそうではない。
 
 
「かわいい子には旅をさせよ。」
に、ちょっと似ているのかなぁとも思う。
 
 
竹中さんも、棚木さんも鬼のような形相をしている厳しい人というわけではない。(笑)
むしろ、とてもやさしい。
そんな2人が話の中で「厳しく」というフレーズを使い、自分の日々のことを語った。
 
 
今回のツアーで、私の中ではそのことが一番印象深く残った。
 
 
*****
 
 
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この日、棚木さんが着ていたのは、「フリースタイル分娩」Tシャツ。いいな…わたしもほしい。(笑)
 
 
そこで冒頭の“ほんとのやさしさ”って、どんな状態のことを指しているのだろう?という問いに戻る。
 
 
私には、「厳しく」と語った2人の姿は、“正しい厳しさ”を持っている人たちだなぁと映った。
でも、私の言う“正しい厳しさ”とは一体何なのだろうか?
 
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これに関連して、最近感じていることがある。
 
それは、
「なんでもいいよ。」は「どうでもいいよ。」に近いのではないか、
ということ。
 
一見“やさしさ”を身にまとっているようにけれど、その実態は“無責任”なのではないか、と。
 
 
無責任のつもりがない人もいる。
けれど、心の底からの親切のつもりでも、“ほんとのやさしさ”につながらないものもある。(ような気がしている。)
 
 
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マザリーズ助産院には、かわいいベビーベッドもあった。
 
 
“ほんとのやさしさ”と“ほんとのやさしさではないもの”を分けるものは何だろう?
 
なんだかことばにする努力をしてみたくって、つらつらと書いてみる。
(“今”の“私なりの”答え・解釈であって、何年後かに見たら答えはまた変わりそうな予感がしている。)
 
 
1: 大変な想いをしている人に「やさしくやさしく…」と、ひたすらやさしく接すること。
→時と場合によって“ほんとのやさしさ”にもなるし、“ほんとのやさしさではないもの”にもなりそう。
もっと言えば、人や時代、状況によっても変わってくるかも。
 
でも、前提として一時しのぎは一時しかしのがないし、
それは依存につながる危険性を孕んでいるということ、
依存は自立につながらないこと念頭においておく必要がありそうだなぁって。
(依存が悪いのかどうかは、まだ正直なところ、わからない。)
 
 
2:対象者の行く末を見通して、ときには「今本人が望んでいないこと」も指し示すこと。
→これは、“ほんとのやさしさ”
 
 
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お腹の中に赤ちゃんの入っている人体模型も見せていただいた。
 
 
こう書いていると、竹中さんと棚木さん、

2人の口から出た「厳しさ」は、その「厳しさ」をたどっていくと、2人の“責任”に到達するのだろうな、

と思った。
 
「他者に対して何らかの働きかけをする」ときというのは、
常に状況を見極めて、見極めて…という行程があるように思う。
常に「この判断は正しいかな?」と自分自身を逆の方面から見つめているような。
 
 
 
腹の据えどころというか、2人の“核”のようなもの。
口からパッと出た「厳しさ」の、その奥にある「責任」
 
わたしは2人の“深み”を「厳しさ」ということばから感じたのだと思う。
 
 
*****
 
助産院ツアーをはじめたのは、2012年3月。
 
毎回ツアーをやるごとに感じる“何か”があるのだけれど、ことばにあらわせないときがあります。
(それもまた“味わい深いできごと”として頭の中をめぐっている。)
でも、今回はなるべくことばにできる範囲でことばにしてみました。
 
 
今回のツアーでのことで、まだことばにできないこともあります。
 
棚木さんの語りを聞いて、
 
「なぜ、わたしたちは向かいたい未来に向かわないのか。」
 
という問いを思い出したりしました。
(ずっと前から頭の中をめぐっている問いなんです。)
 
まだこのことについてはことばにできないので、引き続き、頭の中をめぐり中です。笑
 
 
次のツアーは、秋ごろ(9月かなぁ)を予定中。
 
 
パパとママになる前に。助産院見学ツアーは、
株式会社Ridilover / 一般社団法人リディラバ】×【NPO法人ぱぱとままになるまえに】が
行っています。今回で4回目の開催でした。
 
▼ツアーの行程・ツアーを企画しようと思った問題意識等は、こちらから見ることができます。
https://traveltheproblem.com/tours/113
 
 
▼photo by NAOYUKI HAYASHI
http://naoyukihayashi.com/
なお、いつも素敵な写真をありがとう。
 
 

ひろみ