お問い合わせ
日本語だけど、日本語じゃない!

 

私は、“論文”とか、“役所から出る書類”とか、

“カタカナ語ばっかりのビジネス書”とかを読むのがめちゃくちゃ苦手で…。

あそこらへんの文章って、日本語だけど、もはや日本語ではないですよね(苦笑)

何回読んでも、頭に入ってこないんです・・・。

 

しかし最近、自分の勉強不足をひしひしと感じ、
想いはあるのに、ことばと行動が追いつかないことが悔しくって……少しずつ、論文を読んだりしています。

 

今日読んだのは、
【医療人類学的アプローチによる伝統的子育てネットワークと近代的子育て支援ネットワークの比較研究】
というもの。筑波大学の橋本さんと江守さんという方が書いた論文です。

IMG_5799

題名の長さに心がさっそく折れそうになりつつ、がんばって読み進めました。(苦笑)

 

簡単に言うと、「おばあちゃん・おかあさん・むすめ」の3世代の人たちに聞き取り調査をして、

昔と今の子育て支援の一体何が変わり、これからはどうしたらいいのか?

について書かれた論文でした。

 

今日は論文を読んでいて、共感した部分や新たな発見があったことについて書いてみようと思います。

 

1:「どっちかなんて選べないよ!」と私も思っていました!

論文では、「伝統的な出産システム(おばあちゃんの時代)」と

「近代医療における出産システム(おかあさん、むすめ時代)」についても触れられていました。

 

私はよく助産院について話すことが多いので、

周りの人たちからは、助産院推しと思われている感じがします。

(助産院はどちらかというと「伝統的な出産システム」寄りであり、現代においては少数派になると思います。)

 

けど別に、産婦人科が嫌いというわけでもないし、

産婦人科医の友人もいて、とっても頼りにしているし、尊敬し、信頼もしています。

 

だから、どっち派というのは、特にないのがホンネです。

 

先日、「ねぇ、ヒロミがそんなに助産院スキな理由って、何?メリットを教えて!」

と、友だちに聞かれました。

けど、この質問、すっごく困った・・・。

 

そんな簡単に、“助産院のメリットは◯◯だよ!”と言えたりするものでもないし、

善し悪しって人それぞれで、

私がメリットと思っていることでも、友だちにとっては全然メリットじゃないかもしれないし・・・。

(むしろ産婦人科も助産院もそれぞれメリットとデメリットを持ち合わせていると思うのです。)

 

って一瞬にしていろいろな考えが頭を巡り、言葉にできなかったんです。

 

そして、そもそも、忘れちゃいけないのは、私はまだ妊娠も出産も経験していないということ。

体験と実感をもって、「こっちがよかったよ!」と言うことはできないのです。

(私は自分の体験したことや、そこで感じたことこそ、その場だけであっても真実だと思っています。)

 

ってか、、、何で“どちらか”を選択しなければいけないの?

 

これはいつも感じていた違和感。大きな疑問でした。

「どっちかなんて選べないよ!“いいとこ取り”ができたらいいのに!」と思っていました。

 

そうしたら論文内に、ピタっとハマる一文がありました。

 

B・ジョーダンは、伝統的な出産システムと近代医療における出産システム、

この2つのシステムの調和や融合は、母の健康を改善していくうえでより望ましく、

新しい医療を考えるときに1つの有意義な視点を生み出すものと述べている。

 

まさに調和と融合が今後とっても大事になってくるんじゃないのかなぁと思うのです。

自身の妊娠・出産が訪れたとき、「こう在りたい。」という軸があるかどうか。

なければ、妊娠・出産の当事者になるまでの間に軸を育てておくことができると思うのです。

 

“伝統的な出産システムと近代医療における出産システムのどちらかを選択すること”に対して感じていた違和感は、

「このままでいいんだ!」と思えて、とっても嬉しかった。

まさか、論文に心が救われる日がくるなんて思ってなかったです!!!笑

 

 

2:「観音講」という【ぱぱとままになるまえに】的な取り組みが昔はあったらしい!

女性のための伝統的な地域公認の組織で、いくつかの種類があった。

部落の娘たちだけで行う講や、産婆の家を定宿にして行う若い嫁たちだけの講もあった。

調査地(鹿児島)における観音講は、地域の女性たちで、毎月一回開かれていた出産・子育て情報を含む

生活の情報交換、および女性たちの娯楽の場として機能していた組織である。

この世代では、女性が結婚すると、実母または義母が娘または嫁に対して、

妊娠の有無にかかわらず観音講への参加を促していた。

育児だけに限定しない女性自身が楽しむための女性余暇型ネットワークといえた。

 

おばあちゃん世代の時代に存在していたという、この「観音講(かんのうこう)」

めーっちゃ【ぱぱとままになるまえに】的な取り組みだと思いませんか!?!?

 

まぁ、観音講は女性限定だったようですが、【ぱぱとままになるまえに】は、現代版ってことで(笑)

男性も共に学べる点は、観音講よりパワーアップしていますね!!!

 

妊娠の有無に関わらず…というのも、とっても大事だと思うんです。

【ぱぱとままになるまえに】は、「お相手の有無」にも関わらずなのでもう超いいですね!(笑)

 

こういう取り組みが、“限定された種類の人々のため”ではなく、

ひらけた場で、ひらけたココロでこういう取り組みをつづけていくことに可能性を感じるんです。

 

よくターゲットを絞れって言われますけど、私は、絞っちゃいけないとさえ思うんです。

論文内では、ターゲットを絞ることによる「拘束感」の高まりについても書かれていて、とっても共感しました。

 

ターゲットを絞って取り組みをしたほうがいいものも、もちろんあると思います。

反面、絞らずひらいて行ったほうが効果的な取り組みってあるんだろうなぁ。

 

この答えに行きつくまで、結構時間かかったけど、やっぱ、いいんだ、これで。と思えて、うれしくなった。

まさか論文読んで「うれしい」と感じる日がくるだなんて!!!(笑)
生活の情報交換・娯楽というキーワードも、とっても大事です

【ぱぱとままになるまえに】でも、“楽しいこと”を何より大事にしてきたし、

(楽しくないと私自身が続けてこれなかったし。)

妊娠・出産に関することだけを取り上げてきたわけじゃないのは、

「いろんなことが実は影響してたりする。」と思ったし、

「そんなピンポイントで語っておしまいにできるの?」って、ずっと疑問だったから。

 

論文内では、「生活の場」から切り離されてきてしまった妊娠・出産についての問題点も書かれていて興味深く読みました。

 

また、講義式教授法で教育したほうがよい知識と徒弟制度的な方法で教えたほうがよい知識を分類して、

より適切な方法で出産・育児の準備をしていくことが必要である

と書かれていて、またしても「まさに!!!」と思いました。

 

あぁ、論文って読むの、たのしいのかも・・・・!!!

 

っと、語りだすとキリがなくなりそうなのでこのへんで。

 

オススメの論文とか、本とかあったら教えてください!

わたし、もっと、勉強がしたい!!ちゃんと想ったこと、カタチにしたいです!!!

 

皆さま、どうぞよろしくおねがいします◎

ひろみ