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たくさんの命が芽吹く春に、死を想う。

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 祖父母の家に泊まりにきています。お庭のパンジーはおひさまの方向を見ていてかわいい。

 

映画「おとうと」を観ました。

山田洋次監督の映画、やっぱり好きだなぁ。

 

初めて観た山田監督の映画は、「15才学校Ⅳ」

ちょうど思春期のときに映画館で観て、主人公が悩んだりしている姿と自分を重ね、

「こうやって感じているのは一人じゃないのかも。」と、なんだか安心したし、

葛藤しながら行動して、動き続ける主人公を観て、

色々と、もやもやしていた思春期だけれど、スカッと気分良くなったのを覚えてる。

 

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小さいバラ、かわいい。お庭の柵を這わすんだって。

 

大学生になって、悩んでヒッチハイクで南を目指したのも、

もしかしたらこの映画のことが片隅にあったのかもしれない。

 

最近こうやって、大人になってから色々振り返って、

これまでに気がついていなかった「点」が実は繋がっていたことを知ったり、

気にもしてなかったことが、

実は今の自分をつくる上で大切な「点」になっていたことに気がついたりしておもしろい。

 

もっともっと自分のことが知りたいし、

これからも、意図せず、変な操作せず、素直に生きて、

いつか振り返ったとき、またこうやって意外な「点」に気がつけたらおもしろいなぁと思う。

 

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春風の中、おじいちゃんとおばあちゃんは徹子の部屋を見ている。幸せな風景。(まだコタツ。笑)

 

映画「おとうと」観てよかったなぁ。

いつまでたっても、「おねえちゃんはおねえちゃん。おとうとは、おとうと。」

 

【ぱぱとままになるまえに】でも大切にしたいと思っている「80年視点」とも繋がる部分があるなぁと感じた。

 

映画を観ながら、いつか死ぬことを想う。

今の私は、「死は、怖いし、悲しいことだ。」と思ってる。

 

けど、反面、おだやかで、ゆるやかなイメージも持っていて、

「いつか必ず起こる、避けられないことだ。」ということもわかってる。

 

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映画を観ながら、3月に取材をしに行った和歌山県の90才のおばあちゃん助産師さんのことを思い出した。

「人の命は皆、海や月に関係してるんや。」と、彼女は言った。

 

“満ちて満ちて、命は産まれて、ゆっくり枯れていくんだ。”と私は解釈してる。

 

みずみずしい命が、だんだんゆっくり枯れていく。

それは避けようがないこと。

 

短くして亡くなる命もあるけれど、

命が亡くなるということは、「当たり前」で「自然なこと」だと思う。

 

年を重ねるごとに、

だんだん人は忘れていって、聞こえなくなって、見えなくなって、

色んなものが薄くなっていくのは、「あるべき姿なのかな。」って思う。

そうじゃないと、やっぱりこの世を離れることはできないんじゃないかなぁって思ってる。

 

死期が近づく本人は薄くなっていく反面、周りには数々の思い出や、強い悲しみや寂しい気持ちが残る。

それで、いいんだと思う。

つないでいって、続いていって、っていうことの繰り返しなんだろう、きっと。

そんなことを、おじいちゃんとおばあちゃんといっしょに過ごして、感じた。

 

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立派に咲いている牡丹の花。おじいちゃんとおばあちゃんの自慢のお花。

 

新卒で介護の会社に入っていた半年間に感じていたこと、

やっと最近すらすら言語化できるようになってきた。働いてたのは、もう4年前の話だ。

 

ことばが追いつかないことを今までは責めてきていたけれど、それでいいんだって最近は思える。

追いつけないこともあるだろう。でも、感じることはやめないでいたいと思う。

 

最近教えてもらったことば。

スロウ グロウ フォロウ

ゆっくり 成長 継続

 

早くなくていいや。ゆっくり。だけど、ちゃんと確実に。

 

ひろみ